白血病の本を読もう その1-8 木崎(2009) pp.132-135 化学療法の看護2 白血球減少と感染予防
正確性はいっさい保証しません
急性リンパ性白血病を中心にやります
わからないところとややこしいところは飛ばします
白血球減少時の感染予防
- 看護のポイント
- 治療内容による白血球減少の程度、回復の見込みを把握する
- 患者、家族への感染予防行動について説明する
- 発熱、疼痛、膨張などの症状、白血球、好中球数、CRPなどの結果とともに、抗生剤、G-CSF製剤などの治療内容を確認する
- 口腔内・皮膚・肛門・陰部の保清状態、点滴・カテーテル刺入部の発赤、膨張のないことを確認する
- 便、尿の性状や、回数を把握する
- 日常的に環境整備に配慮し、好中球減少時の患者の安静度、食事制限などを考慮する
- 発熱時には迅速に対応する。
- 白血病に対する化学療法では、高度の骨髄抑制が生じ、CTCAEで Grade 3 以上の重症に分類される有害事象を生じることがしばしば
- 好中球減少時の感染症合併では、患者は容易に敗血症や重篤な肺炎を合併しやすい
- 化学療法に際しては、点滴、中心静脈カテーテル・尿道カテーテルを留置している場合があり、感染の原因となりやすい
- 日々観察を行い、感染徴候があった場合には速やかに対応する
- 白血球減少時の発熱時には、菌血症、肺炎などの状態を想定し、速やかにバイタルサインを確認すると主に、血液培養、レントゲンなどの必要な検査を行い、抗生剤を開始する必要がある。
感染予防のために
- 指導
- 感染予防行動の啓蒙に努める
- 手洗いうがいを励行してもらう
- 行動制限
- 移動は必要最低限とする
- 移動時・面会時はマスクを着用する
- 食事では、なまものは制限し、加熱食など準無菌食を摂取してもらう
- 環境整備
- ウイルス感染のおそれのある人の面会を遠慮してもらう
- 生花・埃の原因になりやすい物品の持込みを制限する
- ベッド、テーブルなどを清潔に保つ
- 強い化学療法により、アスペルギルスなどの真菌感染のリスクが高い場合は、HEPAフィルターの装備のある部屋に収納する。
CTCAEによる骨髄抑制の評価(抜粋)
有害事象/Grade | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 単位 |
---|---|---|---|---|---|---|
白血球減少 | 3,000- | 2,000-3,000 | 1,000-2,000 | -1,000 | 死亡 | /mm3 |
好中球/顆粒球減少 | 1,500- | 1,000-1,500 | 500-1,000 | -500 | 死亡 | /mm3 |
血小板減少 | 75,000- | 50,000-75,000 | 25,000-50,000 | -25,000 | 死亡 | /mm3 |
ヘモグロビン減少 | 10- | 8.0-10 | 6.5-8.0 | -6.5 | 死亡 | g/d |
- 参考値:12/25
- 白血球:700 Grade 4 *1
- 好中球:602 (=700*86%) Grade 3
- 血小板: 76000
- ヘモグロビン: 7.9 Grade 3
*1:「死亡」1つ手前なのがシュール