なんか急性リンパ性白血病になった記

金曜か土曜に更新 最悪日曜 というのは昔の話である。今は何かあったら更新

『團十郎復活』読んだ

送っていただいてありがとうございました。

ごはんの話

 こんな毎日の中でわずかな楽しみは食事である。大のおとなが、8時、12時、6時がくるのを待ちきれない思いだ。しかし、食事の内容はといえば、低カロリーの加熱食ばかり。加熱食とは、いったん調理した食物をさらに高熱でとことん殺菌した料理で、はっきりいってまずい。どう表現していいかわからないほどまずい。脂分はすっかりとんでしまってパサパサになっている。
 自宅では夕食の時、必ずといっていいほどビールなどが添えられていて、30分から1時間ほどかけて食べるのが習慣であった。ところが、気の利いた添え物もない食事は、わずか5分で終わってしまう。すっかり食べ終えてお茶を飲んでいると、にわかに空腹感が襲い、「冗談じゃない。朝の食事まで14時間もあるのにどうしよう」と悲しくなる。

(pp. 29-30)

「『冗談じゃない。朝の食事まで14時間もあるのにどうしよう』と悲しく」なってる市川團十郎を想像するとすっげーかわいい!!

悲しくなったあとにカップラーメンを食べたかどうかについての記述はない。

移植の話

 体力と臓器の限界ギリギリまで抗がん剤を投与し、骨髄内の幹細胞を完全に死滅させた上で、先に取っておいた正常な幹細胞を*1注入する。
(...) ただただ痛み苦しみが続いたのだ。もちろん食物など口を通らない。吐き気や痛みに苛まれ、ごくりと水を飲むこともかなわない。顔はやつれ、どす黒く変色した。意識は朦朧として、まるで大航海時代に船底に放り込まれたような闇黒である。(...) ついには光さえ苦痛になって耐えられないのだ。
(...) ふつうの治療の時は、子供の頃のことなど様々な思い出が甦ってきて、これまでそれを綴ったりもしたが、もう何も考えられない。この間断ない苦痛には、これがいつまで続くのか、体はどうなっているのかといった思考はまったく働かない。ただ暗闇の中で体を丸くして耐えているだけである。(...)
 我ながらよくぞ持ったと思うくらいだが、1週間ほどたった頃だろうか、本当に薄皮をはぐように、少しずつ苦痛がやわらいできた。
(pp. 115-6)

いやー怖い。よっぽどつらかったんだな。


おつかれさまー

歌舞伎俳優の市川団十郎さん死去 66歳 - 芸能ニュース : nikkansports.com

團十郎復活

團十郎復活

*1:自家移植の場合