『31歳ガン漂流』(奥山貴宏)読んだ
読んだ
2002年に、30代なのに肺ガンになったライターかなんかのおっさんのブログ日記。31歳から33歳まで3冊シリーズ。
音楽が好きらしいんだけど、出てくる用語がよくわかんない。ガンダムのプラモを作るのも好きらしい。「あえて言おう!白血病であると!」のひともガンプラ作ってるけど、入院とプラモって相性いいのかな。末梢神経障害があるオンコビンとは相性悪そう。
文章と人柄がなんかクール。
以下俺がふせんを貼ったとこから引用
「笑えないジョーク」「リアリティ」
実はこの病名をこの日記に書くかどうか、迷った。だいたい「ガンにかかっています」なんて笑えないジョークみたいなもんを書いていいのだろうか。また、日記を読んでくれる読者がショックを受けないかどうか。 これを読んでくれている皆さんがリアリティを感じていないと思うのと同様、オレだってリアリティを感じていない。心臓が停まりかけたというのに、地球の裏側で起こったテロ程度のリアリティしか感じていない。心臓が停まったときにだって、感じていないかもしれない。 p. 49
15日目の日記より。
少なくとも、最初の数十日は自分の病気に「リアリティ」を感じにくいもんなんじゃないだろうか。だんだんと状況に慣れてくるけど。
闘病すらも日常の一部に過ぎない
この日記は、そういう自分の内面に目を向けた感動系の闘病記とは全く逆。自分の内面、感情、「助かりたい」とか「死にたくない」とかそういったものは全部突き放し、可能な限り削除した上で書いている。 (...) だから、闘病記を読んで泣きたい人とか感動したい人は、どうか他のモノを読んで欲しい。オレなんかより、もっと若くてもっと悲惨な結末を迎える闘病記がいくらでも出ていると思うから、そういうのを探して読めばいい。 正直、悲惨さで言えば医学の進んでいない昔のほうが悲惨に決っているし (...) 病状の悲惨さで競ってもオレには勝ち目はないと思うんだよね。もっと、悲惨な人なんていくらでもいるでしょ。 (...) 怒り、絶望、恐怖、悲しみ、そういう要素は全部オレ一人だけで楽しむためにとっておく。勿体なくて、誰とも分かち合いたくない。 (...) それに今のオレにとってはガン闘病すらも、日常の一部に過ぎない。音楽を聴き、本を読む、映画を見る、人に会う、原稿を書くという生活要素の中に「闘病」ってのが一つ新たに加わっただけ。何も一日中病気のことを考えて生活している訳ではない。 p. 85-7
似たような感覚はあるけど、俺は怒りも恐怖も悲しみもたぶんブログに書く。
年金を払うのをやめよう
現時点での生存年数は平均して2, 3年だそうだ。(...) まあ、長生きしてもせいぜいあと10年だそうだ。(...) とりあえず、年金を払うのをやめよう。 p. 129-30
年金は単純に払って受け取るだけだったら損だけど、障害年金が意外といいから払っといたほうが無難って誰かから聞いたことある。
悪魔の呪文
「忙しい」と「金がない」は悪魔の呪文みたいなもので、口に出した瞬間からホントにそうなってしまう。「忙しい」も「金がない」も明確な基準が無い以上、あくまで気分的なものだということ。だから、知らんぷりするに限る。 p. 115
気をつける
飲めるときの体調の良さを楽しむ
昔は大量に飲酒していたので大酒飲みの気持ちも分かるし、今はほとんど飲めないので下戸のつらさもわかる。(...) むしろ、どちらのサイドにも理解を示さないで「飲みたいときには飲む。飲みたくないときは飲まない」というスタンスで行くのが一番スマートかも。体調が良ければ飲めばいいわけで。飲めるときはその体調の良さを楽しめればいいと思う。 p. 246
病院食の中華はマジでヤバい
病院食の中華はマジでヤバい。 p. 73
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