2012-12-21 白血病の本を読もう その1-5 木崎(2009) pp.66-88 ALL治療の実際 101_白血病基礎知識 正確性はいっさい保証しません 急性リンパ性白血病を中心にやります わからないところとややこしいところは飛ばします 急性白血病治療の実際 新薬の開発、支持療法の進歩もあって、治療成績は向上している 化学療法 急性白血病は治癒が期待できる疾患である そのため、白血病細胞の根絶を目指して強力な化学療法が実施される 抗白血病薬は白血病細胞に特異的ではなく、正常細胞にも作用する 多剤併用療法(効果を増強し、耐性化を防ぎ、副作用を分散させるため) 急性白血病治療の流れ 寛解導入療法 寛解後療法 地固め療法 維持・強化療法 (造血幹細胞移植療法: HSCT) 急性リンパ性白血病の治療 寛解導入療法 VCR(ビンクリスチン)とPSL(プレドニゾロン)を併用するVP療法に、L-asp(アスパラギナーゼ)やDNR(ダウノルビシン)、ドキソルビシン(アドリアシン)などのアントラサイクリン系薬剤が追加されるのが一般的 これらの寛解導入療法で70-80%の症例で寛解が得られる 最近ではCPA(シクロフォスファミド)が追加されるようになり、より高い寛解率が得られている 感染症・合併症への対策 急性白血病では寛解導入療法、地固め療法と強力な治療が実施され、種々の合併症が出現する 特に寛解導入療法後は白血病細胞によりすでに抑制されている骨髄機能が治療によりさらに障害され、高度の汎血球減少症が出現し、合併症の発生頻度が高くなる 末梢血液は2-3週間程度の汎血球減少期(Nadir*1)を経て回復期へ向かう。 主な合併症 感染症 最も危険 FN*2 血球減少(以下は輸血の目安) ヘモグロビンは 7.0g/dl 血小板数は20,000/μl DIC*3 悪心 嘔吐 口内炎 直腸肛門障害 脱毛 漏出性皮膚障害 腫瘍崩壊症候群 *1:かっこいい *2:発熱性好中球減少症 *3:播種性血管内凝固症候群