なんか急性リンパ性白血病になった記

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白血病の本を読もう その1-12 木崎(2009) pp.158-76 造血幹細胞移植患者の看護のポイント

正確性はいっさい保証しません
急性リンパ性白血病を中心にやります
わからないところとややこしいところは飛ばします

外来から移植病室入室までの看護

意思決定に関する支援

造血幹細胞移植は根治が期待できる一方で、副作用や合併症による身体的ダメージ、移植後早期の死亡や再発などのリスクも伴うため、患者はメリットとデメリットを理解し、後悔しないように自分で治療を選択する必要がある。

患者が治療を選択する際に理解しておく必要がある事柄

  • 主な副作用:嘔気、倦怠感、発熱、疼痛、下痢、皮膚トラブルなど
  • 主な合併症:感染症、臓器障害、移植片対宿主病(GVHD)
  • 生着不全
  • 再発
  • 移植後早期の死亡
  • 高額医療費
  • 不妊
  • 慢性GVHDによるQOLの低下
  • リハビリテーションの必要性
  • 感染予防行動の必要性
  • 療養生活を送る上での自己管理能力向上の必要性

自己管理能力を高める患者教育

感染予防のための清潔行動
  • 手洗い:食事や服薬の前後、トイレの後、床に落ちたものを拾った後、本を読んだ後、パソコンやゲーム機を使った後などに、ポンプ式の液体石鹸と流水で、洗い残しのないように正しい方法で洗う。
  • 口腔内の清潔
    • 患者自身による口腔内の観察
    • 含嗽:含嗽は口腔内の細菌を減少させるが、持続効果はないため頻回に行う必要がある
    • 歯磨き:プラークの約70%が細菌。起床時・毎食後・就寝前の5回行なう*1
  • 身体の清潔
    • 皮膚:副作用や合併症によって皮膚のバリア機能が破綻されやすい。毎日入浴またはシャワー浴を行なう
    • 陰部・肛門部:下痢によって肛門部にびらんが生じると腸内細菌が身体内に容易に侵入しやすい。排便後は必ずウォシュレットで洗浄し清潔を保持する。
  • 環境整備:感染の原因となる微生物は患者の身の回りの物に付着しているため、きれいにする
リハビリテーション

移植病室という限られた空間での生活は患者の活動量を減少させる。さらに、嘔気、発熱、疼痛、倦怠感などの身体症状によって、患者は活動する気力が失われ臥床がちとなり、長期化すると廃用症候群となる*2。そして、患者は活動制限が解除され、身体症状が軽減されても思うように活動できず、退院や社会復帰を遅らせてしまう。そのため、リハビリテーションが重要になる。しかし、患者は身体症状が出現している時期には、リハビリテーションを継続的すること(sic.)が困難になる傾向がある。
また、機能訓練や運動、ストレッチ以外にも、生活のリズムを整えることや日常生活の行動一つ一つがリハビリテーションになること、体調不良時にも臥床せず座位を保持すること*3は腹筋や背筋を使用し心肺機能低下の予防につながることなどを説明し、(...)支援する必要がある。

転倒予防

患者は発熱や下痢による脱水、多種多様な薬剤の影響などによって循環動態が変化しやすい。骨髄機能低下による貧血も加わり、めまい、ふらつき、立ちくらみ、失神などの身体症状を認めることがある。さらに、自己の体力や筋力低下を自覚していなかったり、自覚していても大した問題ではないと考えたり、入院前の身体能力をイメージして過信する傾向にある。骨髄機能低下時の転倒は大量出血の危険性がある。そのため、うにゃうにゃうにゃ

移植病室での生活に関するオリエンテーション
  • 移植病室の構造
    • HEPAフィルターで空気を加圧ろ過し、NASA基準でクラス100−10000の清潔を保持している。移植病室は通称無菌室ととよばれることが多いためか、患者のなかには移植病室は無菌であると勘違いしている場合がある。そのため細菌などの微生物が存在していること、を感染予防行動と関連づけながら説明しておく必要がある
  • 面会方法
    • 入室前に正しい方法で手を洗う
    • バッグや上着はロッカーなどに入れて持ち込まない
    • 面会者の病室内での飲食を禁じる
    • 病室内にあるものにむやみに手を触れない
    • 面会は1度に1-2人、1時間以内とする
    • 面会可能な者を以下に限る
      • 面会方法、手洗いについて説明を受けており、確実に実践できる
      • 発熱や下痢などの症状がない
      • 風邪やインフルエンザなど、呼吸器感染症に羅患していない
      • 帯状疱疹、水痘に羅患していない、水痘ワクチンを接種した場合は6週間以上経過している
      • 幼少時以外ポリオ経口ワクチンを内服していない。内服した場合は6週間以上経過している
      • 年齢は12歳以上である
      • 職場や学校などで麻疹、水痘、流行性耳下腺炎、インフルエンザ、プール熱などの伝染病が流行していない
流れ(抜粋)

おおよその流れであり、状況により異なる。

  • 移植2週間前
    • 散髪
    • 移植病室(クラス10000)へ入室
    • 無菌食開始
    • 腸内殺菌(抗菌薬内服)開始
  • 移植1週間前
    • 前処置開始
  • 前日
    • クラス100の病室へ移動
  • 当日
    • 造血幹細胞移植
  • 2週間
    • マルク
  • 3週間
    • マルク
  • 2-3週間
    • クラス10000の病室へ移動(白血球回復時期により移動時期は異なる)
  • 4週間
    • 一般床へ移動
    • マルク

移植病室入室後から退室までの看護

感染管理

近年、移植患者の主な感染が内因性であること、隔離による患者の精神的抑圧を軽減すること、コストパフォーマンスなどの理由から移植病室管理の効率化を図る傾向にある。この効率化とは、(...)厳重に制限するというような管理ではなく、移植病室に出入りするすべての医療従事者、患者及び面会者が標準予防策と感染経路別予防策を理解し実施できることを意味する。

食事管理

消化管殺菌開始日〜移植後好中球500/μL に回復して2週間経過するまで

移植病室入室後より好中球が十分に増えるまで無菌食とする。輸入飲料水は滅菌行程が明確でないため、日本製のペットボトルや紙パック、缶飲料とする。
患者は嘔気、疼痛、味覚障害などから食欲が低下したり、摂取が困難になったりすることが多い。食べやすいものを差し入れる際には次の事柄に注意する。

  • 密封個別包装されており、賞味期限内であるもの。*4
  • 一度開封したらその日のうちに摂取し、摂取できなかったものは破棄する。
  • 基本的にはすべて加熱食品とし、調理過程が清潔であるかわからないものは禁じる。
  • 納豆、生みそ、ヨーグルト、チーズなどの発酵食品(レトルトの味噌汁やプロセスチーズは除く)を禁じる。
  • 自宅で作る場合は加熱調理後2時間以内に摂取する。摂取直前に電子レンジで1分加熱する。
  • 皮の厚い果物は新鮮なものをよく水洗いし、皮を剥いて摂取する。一度に摂取できないものは保管せず破棄する。ブドウなどの皮の薄いもの、イチゴなどの皮のない物は禁じる。
  • 免疫抑制剤投与中はその作用に影響をあたえるため、グレープフルーツ、ザボン、ブンタン、はっさく、スウィーティなどの摂取を禁じる。
  • 飲料水は口をつけて飲むと口内細菌によって汚染や腐敗をきたすため、一度に飲みきれない場合はコップを利用する。

前処置

腫瘍細胞の根絶とドナー由来の造血幹細胞を患者に生着させるために、患者の免疫組織を破壊することを目的として行われる。

全身放射線療法 TBI
  • プランニングの際に記されたマーキングを消さないように指導する。
  • 放射線治療室で行われるため、マスクを着用し車椅子またはストレッチャーで移送する。
  • 移動中の急変に備えて救急物品を持参する。
  • 脳圧亢進症状、耳下腺痛、皮膚障害、嘔気、倦怠感などの身体症状の観察を行い、症状の緩和に努める。
大量化学療法

使用する薬剤の特性を理解し、副作用を予防する。

造血幹細胞輸注時

輸血の容量で行われる。副作用として蕁麻疹、発熱、血圧低下、呼吸困難などがあるため、ECGモニタリング、バイタルサイン、経皮的酸素飽和度測定、全身状態の観察を経時的に行う。

移植後合併症の早期発見と症状の緩和

移植後はGVHDや感染症、臓器障害などの合併症を発症する可能性があるため、早期発見と症状の緩和を図る必要がある。
急性GVHDは主に皮膚・消化管・肝臓をターゲットとするため、皮疹などの皮膚症状、下痢や嘔気・嘔吐などの消化管症状、黄疸、発熱などを毎日観察する。また、発熱、炎症反応、各種培養結果、レントゲン等の検査結果、全身状態などを観察し、感染徴候がないかアセスメントする。

メンタルケアおよび患者・家族との信頼関係の維持

患者や家族の不安は、患者の身体状態に伴い持続する。退院後も合併症に伴うQOLの低下や再発などから不安は持続する。病態が思うように回復しない場合は、不安が怒りになることもある。看護師は、患者や家族が病状を受容できるように支援し続ける必要がある*5



医療スタッフのための白血病ハンドブック

医療スタッフのための白血病ハンドブック

*1:めんどくさい

*2:なんかやばそう

*3:無理

*4:なんで体言止めなんですか?それをどうするんですか?

*5:具体的には??